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「肉食が地球を滅ぼす」中村三郎 [2015/06/29 23:45]
著者は環境問題を中心に取り組むフリージャーナリスト。食肉に関する様々な問題が整理されており、文章もわかりやすい。 牛の場合、食肉になるのは60%。残りの40%はくず肉としてミンチにされ、脂肪分が取り除かれて肉骨粉となり、家畜の餌として与えられる。1980年代に加熱殺菌処理が簡略化されたが、プリオンは安定した物質なので高温処理でも変性しない場合がある。プリオンのアミノ酸配列が異なるため、ヒツジのスクレイピー病は人間には感染しないが、ウシと人間のプリオンのアミノ酸配列は似て..
「食の安全と環境」松永 和紀 [2014/08/28 23:45]
地産地消、農薬、化学肥料、食品リサイクル、エネルギー消費、有機食品、遺伝子組み換え食品といった多岐にわたる視点から食の安全と環境を取り上げている。安全性とエネルギー消費やリサイクルがトレードオフになっている場合があることや、有機農産物の問題点も指摘しており、考えさせられる点が多かった。 地産地消 ・小麦は水分含有率が高いとカビが増加する。日本では降水量が多く、収穫した小麦は乾燥させる必要がある。その結果、CO2排出量のLCAは北米産小麦とほぼ同じ。 ・トマトは雨に打..
ジェイミー・オリバーのTED講演「子ども達に食の教育を」はおすすめ [2014/07/01 13:20]
4年前のものなので、すでにご存じの方は多いと思いますが、自分の記録を兼ねて紹介します。 プレゼンテーションの冒頭で、この18分間に4人のアメリカ人が食が原因で死亡するという衝撃的な事実を披露する。プレゼンテーションのつかみとしてもうまい。続いて、子どもの寿命は大人よりも10年も短くなるとか、食に関する病気はアメリカ人の死因のトップで殺人よりもはるかに多いとか、肥満に関する病気は医療費の10%を占めタバコより多いとか、食生活が原因で余命6年と宣告された16歳の少女..
「雑食動物のジレンマ」マイケル・ポーラン [2014/04/14 23:45]
本書では、工業的農業、有機農業、自給のそれぞれで生産された食料について、その生産現場や消費者の健康や環境に与える影響などを考察している。中でも、工業的農業の代表として取り上げられたトウモロコシの栽培が、経済の論理、政治的影響力の強い加工業界の利益を優先して、国の財政に負担をかけ、国民の健康や環境を犠牲にして成り立っていることがわかる。 トウモロコシは、牛、鶏、豚やそれらから生産される卵や牛乳だけでなく、本来は肉食のサケにも飼料として与えられる。チキンナゲットのつなぎには..
「文明を変えた植物たち」酒井 伸雄 [2012/10/17 23:45]
新大陸から持ちこまれた6つの植物がヨーロッパをはじめとした旧世界にもたらした影響がテーマ。改めて、アメリカ大陸の植物が人類の生活に果たした役割が大きいことを知らされた。そして、トウモロコシがアフリカでは主食として、先進国では飼料として利用されているという実態に考えさせられる。 ヨーロッパでは、ジャガイモによって、家畜を越冬させるための十分な餌を確保できるようになった。そのため、秋の終りに一斉にブタを殺して肉を塩漬けにする必要がなくなり、季節を問わずに新鮮な肉を食べること..
「肉食の思想」鯖田豊之 中公新書 [2011/10/14 23:45]
欧州の文化を日本からの視点で考察するために、食という切り口を用いている。 欧州において肉食の割合が高く穀物の割合が低い理由について、夏に少雨で冬に多雨な気候、家畜を放牧すれば成長できるだけの牧草が生えること、農業に適さない土地であることをあげる。また、家畜を屠殺したり、生殖行動をまじかに見る生活を送るために、人間と動物の断絶を意識的につくり、人間中心主義の思想が生まれた。キリスト教は人々の結婚について厳しく取り締まり、人間中心主義の思想は他宗教信仰者への差別や階級社会、..