2014年06月24日

「僕は君たちに武器を配りたい」瀧本 哲史

若者とはほど遠いが、現代社会の動向について考えるには役立った。

資本主義社会の中で安い値段でこき使われるコモディティにならず、主体的に稼ぐことができる仕事として6つのタイプをあげる。しかし、そのうちトレーダー(営業、商社)とエキスパート(産業構造の変化が速いため)の2つは今後生き残るのが難しいと説き、残りの4タイプ(マーケター、イノベーター、リーダー、インベスター)の方法論について議論している。

マーケターとは、既存の要素を組み合わせて差異をつくりだす人のこと。イノベーションは、既存のものを今までとは違う組み合わせで提示すること。リーダーは駄馬を使いこなせる人。

サラリーマンはリスクを他人に丸投げするハイリスクな生き方。日本航空やフジテレビを例にあげて、就職人気企業ランキングをもうそろそろ潰れそうな指標として見ることができるかもしれないと指摘しているが、入社できれば高い給料や安定した職が得られると考える人間が志望すると考えれば、それも必然かもしれない。

歴史、哲学、芸術、文学、自然科学といったリベラル・アーツを横断的に学ぶことにより、物事をさまざまな角度から考える能力、問題を発見して解決する能力、コミュニケーション能力、深い人格と優れた身体能力を身につけることが重要。

方法論で終わってしまうのであれば疑問が残ったが、最終章では自分が興味や意欲を持ってできることに夢中になって得たものが武器になるという結論になっていて、この点においても共感できた。方法論の奴隷になっては、何ための人生なのかわからないから。

僕は君たちに武器を配りたい僕は君たちに武器を配りたい
瀧本 哲史 / 講談社 (2011-09-22)

タグ:自己啓発
2012年01月19日

「その科学が成功を決める」リチャード・ワイズマン

幸福感、他人に与える印象、創造力、決断力、教育などの行動とその効果について、心理学の論文から検証している。それぞれのテーマについて複数の実験結果を引用しているので、信頼性はあると思った。自己啓発本に書かれた内容とは異なる結果が得られているものもあり、得るものはあった。

幸福感
* 嫌な体験を抑えるには、打ち明け日記を書く。
* 感謝の気持ちを表す文章、理想的な未来を描く文章、愛を伝える文章を書く。
* 品物を買うより体験を買う方が幸福感を得ることができる。
* 収入の多くを自分のためよりも自分以外のために使う方が幸福感が大きくなる。
* 微笑みの表情を作ると幸せな気分になる。
* 引越しや昇給、新車の購入などの環境的変化よりも、新しいクラブに参加したり、新しい趣味や仕事を始めるなどの意図的変化の方が幸福感は長く続く。

自己アピール
* 大きな負担がかからない範囲で他人の好意にすがれば、好感をもたれる(フランクリン効果)。

目標達成
* 小さな目標を立てる
* 目標を人に話す
* 目標を達成したときのプラス面を考える
* 自分にほうびを出す
* 日記をつける
* 途中で中断すると、やり終えたくなる心理を利用して、ほんの数分手をつけてみる。
* 目標達成について楽観的になると同時に、課題を現実的にとらえる。

創造力
* 複雑な問題に取り組むときは、問題を頭に入れた後、意識を数分間別の作業に集中させることによって、無意識を働かせる。
* モダンアートなどの独創的な絵を見る、ミュージシャンやアーティストの行動や生き方、外見などを思い浮かべる。

メンタルヘルス
* 不快な体験による怒りを鎮めるためには、その体験から得られたプラス面を考える。
* クラシック音楽を聴く
* 太陽の光を30分以上浴びる。
* 1日に15分以上笑う。

その科学が成功を決めるその科学が成功を決める
リチャード・ワイズマン / 文藝春秋 (2010/01)
2011年07月22日

「成功術 時間の戦略」鎌田 浩毅

「時間」を主題に成功の方法をコンパクトに提示しているが、内容は人間関係(初級)、フレームワーク、読書、教養(以上中級)、無意識の活用、クリエイティブになる方法、「オフ」の戦略(以上上級)にまで及んでおり、包括的。
他の著書の引用が多いため、深く学ぶきっかけも与えられているという意味で実用的でもある。

・1日の中で頭が創造的に働くのは1時間程度。これを新しい分野の勉強、企画書の作成などの時間にあてる。それ以外の時間で、データの整理や図表の作成などの頭を使わない作業を行う。
・10年でスペシャリストになり、5年で世界に通用する専門家、さらなる5年でオンリーワンになる。
・乱読によってさまざまなフレームワークを獲得することができる。
・自分なりの見方を確立して自分の問題を発見するために必要な本は、岩波文庫の古典と中央公論の「世界の名著」、20世紀の古典(佐伯啓思)。
・無意識の回答は、意識で考え抜いたものよりも数段上を行っていることが多い。だるい、思い、眠くなる、イライラする、息苦しいなど、頭で考えだした結論に体がついていかない場合は、体の言うことを聞いた方がいい。
・無意識の能力を高めるには、良質のインプットを多量に行う(立花隆)。

成功術 時間の戦略 (文春新書 (443))成功術 時間の戦略 (文春新書 (443))
鎌田 浩毅 / 文藝春秋 (2005/05)
タグ:自己実現