2017年08月31日

先人に学ぶ勉学、記録、知的生産の方法

アミュエルが日記を書き始めた動機は、自分をムチ打つためだった。毎日、数語でも日記を書き、1週間、1か月、1年の反省を行った。
「孤独の研究」(木原武一)

井原西鶴は、人と世間話をしていて興味のわいたものをメモしてためておき、それをもとにして町人たちの手紙や人情話を小説にしたものを多く書いた。執筆術の基本は、メモをとる習慣をつけること。
「知的トレーニングの技術」(花村太郎)

ポール・ヴァレリーは、毎朝夜明け前に起床し、数時間思索・瞑想して想を練り、その時々の思いつきをノートに書きとめる日課を23歳から死ぬまで続けた。朝のみそぎは、自分の精神を読むことにあったと明かしている。「手帖」と呼ばれているノートは、254冊、3万ページに及ぶ。
「知的トレーニングの技術」(花村太郎)

映画監督の押井守は、それだけが自分の才能であるという映画を見続け、感想をノートに書くことを続けた。それによって感じる力を高め、映画の見方の深さと広さが違ってくる。そして、書いた文章を見直すうちに新たな気づきを得ることができ、情報を組み合わせて創造する力を高めることができる。
「続・働く理由」(戸田智弘)

スティーブン・キングは、執筆の時間を午前中と決め、10ページ、2000語を1日の目安とし、2000語を書くまでは仕事を切り上げないことを決まりとした。初めのうちは目標を低くして、1日1000語が無難だ。週に1日は休んだ方がいい(小説作法)。
「偉人たちのブレイクスルー勉強術」(齋藤孝)

ダーウィンは、支出を出納帳に、仕事を日誌に記入し、読んだ書籍は自分の仕事に関係ある箇所全てに印をつけ、それがすぐにわかるよう目録を作成した。自分の資質は、科学に対する愛好、いかなる問題に対しても永く考察を離さない無限の忍耐、観察ならびに事実の蒐集における勤勉の三つ。
『5分で「やる気」が出る賢者の言葉』(齋藤孝)

ファーブルは50歳を過ぎて村はずれに引っ越し、昆虫観察に没頭した。55才で「昆虫記」第1巻を刊行。86才で最終巻を刊行した。
『5分で「やる気」が出る賢者の言葉』(齋藤孝)

南方熊楠は、ロンドンに8年間滞在している間、大英博物館などの図書館に通い、読書、抄写した本は500冊で、「ロンドン抜書帳」はノート53冊に上った。「十二支考」は420冊から引用されている(南方熊楠アルバム)。本から知識を吸収し、英語で論文を書いて発表する形で、インプットとアウトプットを循環よくやった。
「偉人たちのブレイクスルー勉強術」(齋藤孝)

宮脇俊三は、会社勤めをしながら趣味を楽しみ、51歳から徹底的にその趣味の中に埋没し、優れた作品を40冊以上上梓した。
「遅咲き偉人伝」(久恒啓一)

本居宣長は、日記を自分の生まれた日までさかのぼって書き、亡くなる2週間前まで、自分の身のまわりの出来事、世の中の動きなど、あらゆる事象を書き続けた。学問において最も重要なことは継続であり、そのためには生活の安定が大事だと考えた。時間管理を行い、支出を省いて書物を買った。学問する環境をいかに整え、日常生活をいかに効率的に過ごすかという膨大なマニュアルが残っている。
「遅咲き偉人伝」(久恒啓一)

森鴎外は、役所から戻った数時間をフルに利用して、1日平均原稿用紙400字3枚書いた。
「知的トレーニングの技術」(花村太郎)

レーニンは、読書の抜き書き・要約と自分のコメント、ノートを読み返しての感想を書けるノートのとり方をして、「国家と革命」の草稿プランを練り、権力を握った。
「知的トレーニングの技術」(花村太郎)



孤独の研究 (PHP文庫) -
孤独の研究 (PHP文庫) -

知的トレーニングの技術〔完全独習版〕 (ちくま学芸文庫) -
知的トレーニングの技術〔完全独習版〕 (ちくま学芸文庫) -

続・働く理由 -
続・働く理由 -

偉人たちのブレイクスルー勉強術 ドラッカーから村上春樹まで -
偉人たちのブレイクスルー勉強術 ドラッカーから村上春樹まで -

5分で「やる気」が出る賢者の言葉 「プチ鬱」から脱け出す33の技術(小学館101新書) -
5分で「やる気」が出る賢者の言葉 「プチ鬱」から脱け出す33の技術(小学館101新書) -

遅咲き偉人伝 -
遅咲き偉人伝 -
2017年08月12日

『「自分メディア」はこう作る!』ちきりん

ブログ運営の舞台裏と本人が選んだブログ記事で構成されているが、どちらも読み応えあった。

小学5年生の時に「ニ十歳の原点」を読んで、日記を書き始めた。著者にとっての日記は「今日はこんなことを考えた」という思考の記録で、高校時代には、その一部を友人に見せたりもしていた。Chikirinの日記は、ブログサービスを使って日記を書くつもりで2005年に始めた。2008年の半ばに、はてなブックマークが大量に付けられるようになり、アクセスが急増した。さらに、ツイッターで人気が加速した。ブログが人気化すると、ネットメディアの編集者などから転載や執筆依頼の連絡を受けるようになった。

「一生の間に、最低でも二つの異なる働き方を体験したい」と考え、2010年末に外資系企業を退職した。アジアの都市で日本語教師でもしながら暮らすことを考えていたが、退職直後に出版した「ゆるく考えよう」がヒットすると、雑誌や新聞、ラジオから取材や出演の依頼が殺到するようになったため、ブログ運営に集中することにした。ブログのPVは月間200万、収入はAmazonアソシエイトとGoogleアドセンスだけで年間500万円弱に達している。「ちきりんセレクト」では、著者の愛用商品を紹介している。

「ゆるく考えよう」の印税収入は500万円あまり(4万2000部、文庫1万6000部)、「自分のアタマで考えよう」は1500万円あまり(11万3000部)。その後の作品も700万〜800万円(5万5000〜6万6000部)に達している。本書の基になった「Chikirinの日記の育て方」は電子書籍として出版し、同程度の印税収入を獲得している。

「下から7割の人のための理科&算数教育」
日本の教育では、生産者(技術者)になるための教育には熱心だが、生活者のための科学教育には重きが置かれていない。富国強兵のための教育という思想が、根強く残っているからでしょう。

「思考と分析、その微妙かつ決定的な違い」
分析の結果は情報しか含まれておらず、誰がやっても同じ。思考の結果は、分析結果以外のことも考え、自分の基準に照らして判断するもので、価値判断が含まれる。

運営方針や目的を明確に定めていること、わかりやすい文章にまとめていることが成功した要因だったのではないかと思う。日記の書き方についても、改めて考えさせられた。社会の動きや自分が入手した情報に絡めて、自分がどう考えたかを記録すれば、自分の関心事項や問題意識を確認することができ、活動や成果を積み重ねることができるだろう。

「自分メディア」はこう作る! 大人気ブログの超戦略的運営記「自分メディア」はこう作る! 大人気ブログの超戦略的運営記
ちきりん / 文藝春秋 (2014-11-22)
2014年01月31日

「海馬/脳は疲れない」池谷 裕二, 糸井 重里

好きなことや刺激を受けたことが記憶に残るのは、感情をつかさどる扁桃体と情報を選別する海馬が隣合っているからであること、経験メモリーがべき乗で成長すること、やる気を生み出す側坐核は刺激を受けないと活動しないことなど、脳の部位と活動の関係が理解できたのは収穫だった。五感を生かして刺激を受けることができる場に身を置いて、経験メモリーを増やすといいらしい。

・物忘れやド忘れが増えると思う理由は、大人はたくさんの知識を詰めているから、その中から知識を選び出すのに時間がかかるため。
・大人は、まわりの世界に対してマンネリ感を抱いて前に見たものだと整理し、驚きや刺激が減るため、印象に残らずに記憶力が落ちたように感じる。まわりの世界を新鮮に見ていれば、脳は潜在能力を発揮する。
・30歳を過ぎると、つながりを発見する能力が伸び、前に学習したことを活かせるようになる。
・たえずおもしろいことを考えながら生き生きと暮らしていきたいと思う人と、これまでに心地よいものを求める人は、1対4くらいの割合。
・経験メモリーは、べき乗で成長する。
・脳に入ってくるすべての情報は、海馬で整理して必要な情報だけを選ぶ。
・海馬は、感情をつかさどる扁桃体の隣にあり、密接に連絡を取り合っている。好きなものを覚えやすいのは、好きなものを判断するのも扁桃体だから。扁桃体を活性化すると、海馬も活性化される。
・空間の情報が海馬にとって最も刺激になる。移動することを想像したり、どこかの場所の画像を見るだけでも刺激になっている可能性があるが、現場では五感の刺激を受けることができる。
・やる気を生み出す場所は側坐核だが、ある程度の刺激を受けないと活動しない。しかし、一度始めると側坐核は自己興奮して、気分が乗ってきて集中力が高まる。

海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス
池谷 裕二, 糸井 重里 / 朝日出版社 (2002-07-10)
タグ:記憶