2014年06月21日

サッカーW杯代表に早生まれが多いと知って考えたこと

朝日新聞デジタルで、サッカーW杯代表に早生まれが多いという記事があった。今野、遠藤、長谷部、柿谷、川島、内田、香川など、早生まれは23人中10人を占めているらしい。

記事にもあるように、学年の区切りにおいて生まれた月が遅いほど、身体の成長や運動能力において同学年の中で後れをとりやすくなるため、成長にも不利になりやすい。J1の選手では、4〜6月生まれが148人、7〜9月が123人、10〜12月が91人、1〜3月は78人と、見事なまでに誕生月が遅いほど人数は減っている。

選ばれたチームにおいて、生まれた月が早い人が多く、遅い人が少なくなることについては、マルコム・グラッドウェルの「天才! 成功する人々の法則」でも取り上げられていた。北米のアイスホッケーチームなど、こうした傾向は国を問わず見られるらしい。

だから、W杯代表に早生まれが多いのは、単なる偶然なのではないかと思ったが、代表メンバーをJ1選手の中から選ぶと考えれば、その偶然の確率はカイ2乗検定で計算できると思い付いた。なお、母集団をJ1の選手にすると海外組が含まれないが、細かいことは無視する。

J1全体W杯代表
4〜12月36213
1〜3月7810


無作為に23人を選んで早生まれが10人以上を占める確率は、驚いたことに0.2%だった。偶然などではなく、何らかの要因があると解釈せざるを得ない結果だった。

朝日新聞の無料会員サービスに登録して記事の全文を読んでみたら、種明かしが書かれていた。17歳以下(U17)W杯、U20W杯、五輪(U23)の年代別大会では、年齢制限の分け目は1月1日なのだそうだ。これなら逆に、早生まれはメンバー選考や、チームの中で機会を得る上で有利になるだろう。実際、早生まれの10人は、いずれも年代別代表経験者らしい。W杯代表メンバーの早生まれの人数は1998年以降増加傾向にあるらしいが、これも年代別代表チームで活躍する機会が増えたことと関係があるのではないかと思う。

生まれた月によって育ち方が変わってしまうのは、現実なのだ。小学1年生は、6歳ちょうどから7歳近くまでの子どもが同時に入学して同じクラスになる。その年齢差は15%ほどもある。学年が上がるごとにその差は縮むが、その間に劣等感を植えつけてしまう子どもは少なくないだろう。早生まれの子どもは、能力を伸ばす点で不利な環境におかれている。

前述の本の中で、グラッドウェルは生まれた月を考慮してクラス分けすることを提案している。早生まれとして育った私も賛成だ。
タグ:教育
2014年06月01日

「窓ぎわのトットちゃん」を30年ぶりに読み返してみた

山田玲司の「非属の才能」で取り上げられていた黒柳徹子の「窓ぎわのトットちゃん」を30年ぶりに読み返してみた。この本は発売直後の話題になっていた頃に読んだ。テレビで活躍している黒柳徹子の生い立ちとは思えないほど意外な印象を持った覚えはあったが、小学校を退学させられた経歴を明かしていることなど、すっかり忘れていた。

最初に入学した小学校の担任と母親とのやり取りでは、トットちゃんの天真爛漫ぶりと、学校という制度が対照的だ。本人は小学校を退学させられた自覚などなく、後に母親から経緯を明かされたというが、転校先のトモエ学園に入学する時のトットちゃんの喜びようが生き生きと描かれているのが印象に残る。小学校なのに、1日にやる全部の教科の問題を黒板に書いて、それぞれの子どもがやりたいものからやらせる授業には驚くが、子どもの個性を大切にしようとする教育理念をもった学校があったことに感服する。彼女の個性が消されずに済んでよかったと思う。

最初の部分だけを読もうと思ったのだが、ぐいぐいと引き込まれて3分の1ほど読んでしまった。改めて、大ベストセラーになったのもうなずけると思った。

窓ぎわのトットちゃん 新組版 (講談社文庫) -
窓ぎわのトットちゃん 新組版 (講談社文庫)
タグ:エッセイ
2011年11月10日

松丸本舗に行ってきました。

東京に出たついでに、松丸本舗に寄った。

松丸本舗は丸の内丸善の4階の片隅にある。思ったより小さいスペースだったが、手の届かないほど高い本棚が、渦巻状に三重くらいに並べられていた。松岡氏によってテーマごとに分けられているところが興味深い。無機的な分類とは違い、プロデュースした人も前面に出ているのでメッセージが伝わってくる。本の博物館のようだ。松岡氏だけでなく、他のさまざまな人が選んだコーナーもあって、それを同時に楽しめるのも嬉しい。

結局、2時半から4時まで1時間半も長居した。

松岡著書のMMランキング(10/1〜10/16)
1.多読術
2.知の編集術
3.松岡正剛の書棚―松丸本舗の挑戦
4.リスクな言葉
5.17歳のための世界と日本の見方

「松岡正剛の書棚」には、松丸書店の本棚の写真とともに松岡氏の解説が掲載されている。

<読んだ本>
銃・病原菌・鉄(ジャレド ダイアモンド)
文明崩壊(ジャレド・ダイアモンド)

<関心をもった本>
代表的日本人(内村 鑑三)
巨怪伝(佐野 眞一)
モーセと一神教(ジークムント フロイト)
言葉と物(ミシェル・フーコー)
忘れられた日本人(宮本 常一)
塩の道(宮本 常一)
帝国以後(エマニュエル トッド)
文明の衝突(サミュエル・ハンチントン)
21世紀の歴史(ジャック・アタリ)
生物から見た世界(ユクスキュル、クリサート)
パンダの親指(スティーヴン・ジェイ グールド)
胎児の世界(三木 成夫)
自己組織化と進化の論理(スチュアート カウフマン)

松岡正剛の書棚―松丸本舗の挑戦松岡正剛の書棚―松丸本舗の挑戦
松岡 正剛 / 中央公論新社 (2010/07)