2014年01月31日

「海馬/脳は疲れない」池谷 裕二, 糸井 重里

好きなことや刺激を受けたことが記憶に残るのは、感情をつかさどる扁桃体と情報を選別する海馬が隣合っているからであること、経験メモリーがべき乗で成長すること、やる気を生み出す側坐核は刺激を受けないと活動しないことなど、脳の部位と活動の関係が理解できたのは収穫だった。五感を生かして刺激を受けることができる場に身を置いて、経験メモリーを増やすといいらしい。

・物忘れやド忘れが増えると思う理由は、大人はたくさんの知識を詰めているから、その中から知識を選び出すのに時間がかかるため。
・大人は、まわりの世界に対してマンネリ感を抱いて前に見たものだと整理し、驚きや刺激が減るため、印象に残らずに記憶力が落ちたように感じる。まわりの世界を新鮮に見ていれば、脳は潜在能力を発揮する。
・30歳を過ぎると、つながりを発見する能力が伸び、前に学習したことを活かせるようになる。
・たえずおもしろいことを考えながら生き生きと暮らしていきたいと思う人と、これまでに心地よいものを求める人は、1対4くらいの割合。
・経験メモリーは、べき乗で成長する。
・脳に入ってくるすべての情報は、海馬で整理して必要な情報だけを選ぶ。
・海馬は、感情をつかさどる扁桃体の隣にあり、密接に連絡を取り合っている。好きなものを覚えやすいのは、好きなものを判断するのも扁桃体だから。扁桃体を活性化すると、海馬も活性化される。
・空間の情報が海馬にとって最も刺激になる。移動することを想像したり、どこかの場所の画像を見るだけでも刺激になっている可能性があるが、現場では五感の刺激を受けることができる。
・やる気を生み出す場所は側坐核だが、ある程度の刺激を受けないと活動しない。しかし、一度始めると側坐核は自己興奮して、気分が乗ってきて集中力が高まる。

海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス
池谷 裕二, 糸井 重里 / 朝日出版社 (2002-07-10)
タグ:記憶
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