2010年11月05日

立花隆の書評集3冊と佐藤優とのブックガイド

立花隆の書評集3冊と、立花隆と佐藤優が200冊ずつ紹介するブックガイドを読み終えた。

1冊目の「ぼくはこんな本を読んできた」の「体験的独学の方法」にある本の買い方・選び方は参考になった。「退社の弁」も氏の生き方を知る上で興味深かった。文春に連載した書評は、さすがに古く、興味をもったものはほとんどなかった。発売当時はその分厚さと細かい字がびっしりと詰まっているのを見て腰が引けていたもの。15年経ってやっと読むことができたのは、ある意味感慨深い。

2冊目の「ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術」のはじめについている文章は、読書法は数ページだけで、トピックセンテンスだけを読む方法を復習することができた程度だった。書評の方は、紹介文を読んでいるだけでおもしろく、視野を広げるためにも役立つ内容だった。

3冊目の「ぼくの血となり肉となった五〇〇冊 そして血にも肉にもならなかった一〇〇冊」の読書日記にも興味深い本がたくさん紹介されていて役立った。しかし、それ以上に、前半の「メイキング・オブ立花隆」が、氏の経歴や読書歴が十二分に伝わってくる読み応えのある内容だった。この猫ビルをツアーしながらのインタビューは、1冊目の同様のインタビューと内容が重なる部分が多い。

立花隆と佐藤優の対談本は、2人がお互いに相手の話を引き出そうとしている雰囲気が伝わってきて、対談の本としては思ったよりも面白く読むことができた。

・いいものを書くためには、IO比を100対1くらいに保つ必要がある。
・「諸君!」に書いた「石油のすべて」で用いた、調べたことを図表化して情報をつめこみ、文章以上のことを語らせる手法は「角栄研究」でも活かされた。

<関心をもった本>
ホモ・ルーデンス(ホイジンガ)
新ネットワーク思考(アルバート・ラズロ・バラバシ)
歴史を変えた気候大変動(ブライアン フェイガン)
黒曜石 3万年の旅(堤 隆)
歴史入門(フェルナン ブローデル)
戦争中毒(ジョエル アンドレアス)
動物と人間の世界認識(日高 敏隆)
おかあさんになったアイ(松沢 哲郎)

ぼくはこんな本を読んできた―立花式読書論、読書術、書斎論 (文春文庫)ぼくはこんな本を読んできた―立花式読書論、読書術、書斎論 (文春文庫)
立花 隆 / 文藝春秋 (1999/03)


ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術 (文春文庫)ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術 (文春文庫)
立花 隆 / 文藝春秋 (2003/05)


ぼくの血となり肉となった五〇〇冊 そして血にも肉にもならなかった一〇〇冊ぼくの血となり肉となった五〇〇冊 そして血にも肉にもならなかった一〇〇冊
立花 隆 / 文藝春秋 (2007/01)


ぼくらの頭脳の鍛え方 (文春新書)ぼくらの頭脳の鍛え方 (文春新書)
立花 隆・佐藤 優 / 文藝春秋 (2009/10)
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